いとうあきら イベントの企画・運営・演出を本業とするも、無類の食べ歩き好きが高じて“食べ手”の視点で店や料理を紹介。過去の書き手になかった大人の切り口で飲食への愛情を示した。著書に『東京百年レストラン(T〜V)』。

2010年11月15日

(34)西麻布「オステリア・フィオレンツァ」

西麻布にあって日曜営業のイタリアンで

グッドバリューな料理と酒に酔う

2000年代前半、情報ポータルサイトに記事を投稿していたころ、文京区は本郷にある「ココ・ゴローゾ」というイタリア料理店を熱心にメールで紹介してくださった方がいた。その当時はとても様々な方から「ここに行け!」とレストランの紹介を受けた。ぼくにいただくその手のメールは、比較的信憑性の高いものが多かったので、そんな情報を頼りに出かけ、すばらしいと感動したことも度々あった。

「ココ・ゴローゾ」の推薦メールは、今でもよく覚えているぐらいだからとても素敵な文面だったのだが、どうも文京区本郷という場所が自分にとって縁の薄い場所なのか、残念ながら未だに訪問は果たせていない。

そして、そうこうしているうちに、「ココ・ゴローゾ」が京橋に「リストランテ・フィオレンツァ」というリストランテをオープンしたとの情報を入手した。

本郷に続いて京橋・・・。こちらも決して頻繁に顔を出すエリアではないものの、本格的なイタリア料理を食べたいとの気運が高まったある日(といっても随分前だが)、イタリアン好き、そして酒好きのメンバー数名で押しかけた。

すばらしい店だった。客は女性ばかりだけど、料理は男性的。一皿一皿にタップリと量があり、フィオレンツァというだけあって特に肉料理に力を注いでいて、とかく日本のイタリアンでは軽んぜられるセコンドピアットにも、十分な盛り上がりを見せる。

聞けばこちらのシェフは、フランス料理店「ロアラブッシュ」や「ステラマリス」で、フランスのミシュラン一ツ星シェフ吉野建氏に師事。その後イタリアへ渡って、イタリアの郷土料理を学んだ。さらに、彼の店では日本風にアレンジしないイタリア料理を出すことをモットーとしていることも知った。

そして、セコンドピアット以上に盛り上がったのが食後酒。実に愉快で説明巧みなソムリエがいて、様々にハードリカーをススメてくるので、相当飲みすぎたことを記憶している。

「ココ・ゴローゾ」「リストランテ・フィオレンツァ」ともに、ちゃんとブログ等での情報発信もされているが、場所が飲食密集エリアではないだけに、その実力や魅力に比してなかなか顔を出す機会が訪れず残念に思っていた。

そして。
この「リストランテ・フィオレンツァ」は、2010年5月に西麻布にも「オステリア・フィオレンツァ」として姉妹店を出店していたことを比較的最近知ってガクゼンとした。超イタリアン過密エリアへの出店である。しかも外苑西通り沿いの「旧タケオキクチビル」とは・・・。このビルへは1980年代後半から地下にあったバー「BOHEMIA」に通っており(現在はおでん屋)、今も頻繁に前を通っていた。

そして早速、西麻布の店「オステリア・フィオレンツァ」の客となった。まず最初にウレシイ特長からお伝えすれば、ここ「オステリア・フィオレンツァ」は、西麻布にあって日曜日に営業をしている。これはぜひ記憶にとどめておくべきだろう。そしてついでにもう一つ特長を言うと、イタリアはモレッティの生ビールが飲める。手間や原価を考えたら大変なご苦労だと思うが、イタリアでは何度も喉の渇きを癒してくれた思い出の味に、最初からイタリア気分が高揚する。

店内はオステリアと称するだけあって、テーブルにクロスは掛かっておらず、京橋よりは随分カジュアル。メニューは冊子もあるが、黒板のスペシャルもかなりの充実。そしてなにより安い。ここは西麻布だろうか・・・と自問自答してしまうぐらいの居酒屋価格である。

ただし、そんな安価ゆえ皿が気の毒なぐらいのポーションなのかと危惧するも、杞憂に終わる。メニュー数も豊富なうえ京橋店同様に量も十分。そして、そのひとつひとつに丁寧な仕込みがされていて、パスタの種類も数々ある。

ビールからワインに切り替えると、「リストランテ・フィオレンツァ」同様(価格はぐっと西麻布の方が安価だが)、酒に関しては任せてくれといった饒舌なソムリエが登場。私たちが飲む客と理解するや、ぐいぐいとグッドバリューなボトルを押してくる。

そんな彼からの「デザートはいかがですか」との呼びかけにも、すかさず食後酒を所望すると、思いっきり彼の頬は緩み、ガラガラとワゴンを押して大量のハードリカーが運ばれてきた。

さて、「オステリア・フィオレンツァ」のシェフは、元々冒頭でも紹介した「ココ・ゴローゾ」でシェフをされていた方だそうだ。ぼくの7年間の不義理も、やっとここで解消されたかなあと少し安心した。

fiorenza.jpg
「オステリア・フィオレンツァ」
●東京都港区西麻布3-17-25
●03-6447-0144
●11:30〜13:30LO、18:00〜23:00LO22:00
●月休
posted by 伊藤章良 at 10:06| Comment(1) | TrackBack(0) | イタリア料理 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
オステリア・フィオレンツァ
楽しめそうなレストランですね
素敵です
Posted by ryuji_s1 at 2010年11月20日 13:41
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